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活動報告

2009年10月20日 のアーカイブ

2009年10月20日(火)

[ 活動報告 ]

10月20日。

 先日の病院経営に関するセミナーに引き続き、本日は「システム思考」を体得するための導入部分に当たるセミナーに参加しました。

 「システム思考(System Thinking)」とは、物事をいろいろな個別要素の積み重ねのシステムとして捉え、その一つ一つのかかわりあい方をグラフ化して分析し、全体としての分析に用いるというものです。
 なぜ、この講義を受ける気になったかというと、現在の県議会においてもいろいろな問題があります。そして、その解決のために有効な手段の選択が効果的に行えていないというのが正直なところです。このシステム思考を用いて、問題解決の一つの切り口になればという意図で参加した次第です。

システム思考の一つの例をあげると。。。  これは忙しい人に仕事が集まるという例ですが
○Aさんは従事するプロジェクトの数を順調に増やしました。
○顧客のAさんへの評判が高まりました。
○ますます多くの依頼がAさんに来るようになりました。
○その結果、Aさんの抱えるプロジェクトの数がどんどん増えました。
というケースにおいてそれぞれのシステム要素は「抱えているプロジェクトの数」「完成プロジェクトの数」「顧客からの評判」「プロジェクトの依頼数」となります。それぞれのかかわりあい方をみると「抱えているプロジェクトの数」が増えると「完成プロジェクトの数」も増えます。これは同方向に動くので「同」の関係になります。同じようにこれら4つの要素のつながりは下の様にループ図として表されそれぞれ同じ方向に動きどんどん仕事が増えて忙しい状況になります。 これを自己強化型といいます。
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 もう一つの仕事の量と質のジレンマのパターンとしては。。。
○Aさんへの依頼が増えるにつれ、抱えるプロジェクトは増えていきました。
○抱えるプロジェクトが増えるにつれ、一つのプロジェクトにかけられる時間が減っていきます。
○プロジェクトにかける時間が減ると仕事の質は下がってしまいます。
○仕事の質が下がると依頼の数が減ります。
このパターンではシステム要素は「プロジェクト当たりにかける時間」「仕事の質」「プロジェクトの依頼数」「抱えているプロジェクトの数」となり仕事が増えれば自動的に依頼数が減り、ある一定のレベルを保つことになます。これをバランス型と言います。ここで注目すべきは「抱えているプロジェクトの数」→「プロジェクト当たりにかける時間」が逆の関係になっていることです。

e38390e383a9e383b3e382b9このようにシステムループの中で「逆」の関係が奇数個存在するとバランス型、偶数個(0も含め)存在すると自己強化型のループになります。そして この二つのループ図を合わせると。。。
e383abe383bce38397e59bb3となり、Aさんの仕事状況は自己強化型とバランス型のせめぎ合いになり、どちらかエネルギーの大きい方のループが現象として現れることになります。この場合、バランス型のループは自己強化型のループにブレーキを与えることになり、バランス型のループのシステム要素を改善することによりこのブレーキの役割が小さくなります。その手法としては「仕事の質」を向上させるためより高いスキルを磨く、プロジェクト当たりの時間を増やすためアシスタントを雇う、などが考えられます。

 これらの例は非常に簡単な例ですが、実際の物事を分析する場合はもっと大きなループ図となり、システム要素の数も膨大になります。しかし、システム思考を行うことにより全体のシステムの相関関係が把握でき、概観することが可能になります。

 このセミナーのみでは、実際に起こる現象をループ図にすべて表せ、物事が概観できるというレベルには至りませんが、その考え方の基本となるところは理解できたと考えています。この技術を更に磨いていくことも含め、今後の県政の課題解決に利用できたらと考えた次第です。。。

コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
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