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活動報告

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2009年10月21日(水)

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10月21日。

 今回の東京における一連のセミナー参加の最後は(社)日本エネルギー学会 生活部会が主催した暮らし(国民生活やライフスタイル)とエネルギーの関連性、そしてCO2削減への取り組みがどのように暮らしに影響するかについての講演会です。

 最初のスピーカーは主催の(社)日本エネルギー学会の理事でもあり、慶応義塾大学教授、工学博士の中上英俊氏です。「暮らしとエネルギー」というテーマで、同氏からは2010年に地球温暖化ガス(CO2)を6%削減する目標に対し、現状の手法では到底達成できない目標であり、「アジアバブル構想」として、まだまだCO2の削減余地があると思われるアジア全体で、CO2削減の目標を立て努力するという枠組みの構築が有効であるとの提議がなされました。アジアにおける新規開発案件において日本の技術を導入しCO2を削減し、それをアジア全体での目標に対してどの程度達成されているかという形で日本の削減目標をクリアーしていくというものです。
 また、日本国内においてはまだ導入が高まっていない太陽光利用が有効であり、ソーラーパネルによる発電もさることながら、家庭における電気の多くがお湯を作ることに利用されている現状から、よりエネルギー変換効率の高い太陽熱温水器が有効であるとの意見が出されました。

 次のスピーカーは慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授の伊香賀俊治氏で、「生活環境からみた低炭素社会への道」というテーマで講演がなされました。
 同氏からは、現在の都道府県市別のエネルギー消費、特に各地区でそれぞれ、どのような住居に住んでいるかの特性を踏まえた分析結果が紹介され、地域の特性に合わせた住環境の環境配慮型整備(断熱性能の向上、高効率給湯設備など)が重要であるとの意見が出されました。また、2050年にCO2排出量を90年比60~80%達成するための前提条件ということで、冷暖房、給湯、家電製品、太陽光・熱のそれぞれの分野において、居住者側の運用面からの条件も含め何をしなければならないかの説明がありました。
 また、最近の建築主の省エネ技術導入に対する意識と省エネ型ライフスタイルに関するアンケート結果の紹介により、断熱性能や高効率給湯機の導入が近年急速に高まっており、それに伴い居住者の環境意識向上によるライフスタイルの変化が顕著に見られる旨のデータの紹介がなされました。

 最後のスピーカーは首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授で医学博士の星 旦二氏でした。同氏からは「健康」という切り口で住環境や住んでいる地域と健康レベルの関連性、ライフスタイルの違いが寿命に与える影響などについてお話がありました。逆説的な意味合いで「夫を早く殺す方法」ということで。。。
○がみがみ言う ○大酒を飲ます ○たばこを吸わす ○野菜をあげない ○睡眠を不足させる ○運動させない という項目をユーモアを交え紹介し、そうしなければ長寿になるとの導きがありました。

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コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
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2009年10月20日(火)

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10月20日。

 先日の病院経営に関するセミナーに引き続き、本日は「システム思考」を体得するための導入部分に当たるセミナーに参加しました。

 「システム思考(System Thinking)」とは、物事をいろいろな個別要素の積み重ねのシステムとして捉え、その一つ一つのかかわりあい方をグラフ化して分析し、全体としての分析に用いるというものです。
 なぜ、この講義を受ける気になったかというと、現在の県議会においてもいろいろな問題があります。そして、その解決のために有効な手段の選択が効果的に行えていないというのが正直なところです。このシステム思考を用いて、問題解決の一つの切り口になればという意図で参加した次第です。

システム思考の一つの例をあげると。。。  これは忙しい人に仕事が集まるという例ですが
○Aさんは従事するプロジェクトの数を順調に増やしました。
○顧客のAさんへの評判が高まりました。
○ますます多くの依頼がAさんに来るようになりました。
○その結果、Aさんの抱えるプロジェクトの数がどんどん増えました。
というケースにおいてそれぞれのシステム要素は「抱えているプロジェクトの数」「完成プロジェクトの数」「顧客からの評判」「プロジェクトの依頼数」となります。それぞれのかかわりあい方をみると「抱えているプロジェクトの数」が増えると「完成プロジェクトの数」も増えます。これは同方向に動くので「同」の関係になります。同じようにこれら4つの要素のつながりは下の様にループ図として表されそれぞれ同じ方向に動きどんどん仕事が増えて忙しい状況になります。 これを自己強化型といいます。
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 もう一つの仕事の量と質のジレンマのパターンとしては。。。
○Aさんへの依頼が増えるにつれ、抱えるプロジェクトは増えていきました。
○抱えるプロジェクトが増えるにつれ、一つのプロジェクトにかけられる時間が減っていきます。
○プロジェクトにかける時間が減ると仕事の質は下がってしまいます。
○仕事の質が下がると依頼の数が減ります。
このパターンではシステム要素は「プロジェクト当たりにかける時間」「仕事の質」「プロジェクトの依頼数」「抱えているプロジェクトの数」となり仕事が増えれば自動的に依頼数が減り、ある一定のレベルを保つことになます。これをバランス型と言います。ここで注目すべきは「抱えているプロジェクトの数」→「プロジェクト当たりにかける時間」が逆の関係になっていることです。

e38390e383a9e383b3e382b9このようにシステムループの中で「逆」の関係が奇数個存在するとバランス型、偶数個(0も含め)存在すると自己強化型のループになります。そして この二つのループ図を合わせると。。。
e383abe383bce38397e59bb3となり、Aさんの仕事状況は自己強化型とバランス型のせめぎ合いになり、どちらかエネルギーの大きい方のループが現象として現れることになります。この場合、バランス型のループは自己強化型のループにブレーキを与えることになり、バランス型のループのシステム要素を改善することによりこのブレーキの役割が小さくなります。その手法としては「仕事の質」を向上させるためより高いスキルを磨く、プロジェクト当たりの時間を増やすためアシスタントを雇う、などが考えられます。

 これらの例は非常に簡単な例ですが、実際の物事を分析する場合はもっと大きなループ図となり、システム要素の数も膨大になります。しかし、システム思考を行うことにより全体のシステムの相関関係が把握でき、概観することが可能になります。

 このセミナーのみでは、実際に起こる現象をループ図にすべて表せ、物事が概観できるというレベルには至りませんが、その考え方の基本となるところは理解できたと考えています。この技術を更に磨いていくことも含め、今後の県政の課題解決に利用できたらと考えた次第です。。。

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2009年10月19日(月)

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10月19日。

 東京にて新社会システム総合研究所主催による「意思をやる気にさせる10のポイント」と題したセミナーに参加いたしました。講師の石井友二氏は、病院の経営革新に関するコンサルティング会社を立ち上げ以来、13年に渡って病院におけるマネジメントの概念を導入指導にあたっていらっしゃる方で私立公立を問わず、現在も約60件の指導に当たっている方でした。

 県会議員の私がなぜ、病院経営に関するセミナーを受講する気になったかと言いますと、福井県には県立病院という地域医療を支える公立病院があります。民間企業出身の私からするとその収益構造は決して良好とは言えず、その指摘に対しても「公立病院はその性格上、妊婦の周産期医療センターなど不採算部門を持つことを余儀なくされ、どうしても全体として収益が上がりにくい体質である」との答弁に終始していました。
 このような状況下、公立病院でもその高利益体質にすることは無理でもその体質を少しでもよくできないか、その切り口は何かを掴みたいという意図からこのセミナー参加に至ったわけです。

 そのセミナーでまず感じたことは、一般企業では通常行われているような経営管理のしくみが病院にはほとんど存在しないこと。病院の経営方針に現状分析に基づき各部門の目標が設定されその達成状況が評価されそれが処遇につながる。また目標が達成されない場合にはその原因究明がされ是正が働き来期へつながっているというPDCAサイクルが回っていないということでした。
 また、そのツールとして部門や科、医師別に収益が追跡され、医師もその経営に参画することが必要であるということも重要であるということでした。

 病院経営において最も大切なことは医師のやる気であり、そのやる気を出させるためには以下の10のポイントがあるということも学びました。
1.訴訟がないこと:医師の責任ではないアクシデントに病院が医師を守る姿勢があるか
2.魅力あるリーダーの行動:リーダーにビジョンと情熱があり戦略を明確化している
3.嫌な上司がいない:上司が勤勉で尊敬できる
4.質の高いスタッフ:スタッフにスキル、知識があり、勉強をしている
5.クレームのない職場:いわれにないクレームを受けない環境
6.働くことで変わる報酬:固定給で成果をあげろと数字を言われたりせず、評価される仕組みがある
7.疲労がない職場:組織が盛り上がり、コミュニケーション豊かで、消耗しているという意識がない
8.有能な部下:上司を尊敬し、仕事を忌避しない
9.必要な医療機器の購入に前向き:自分がやりたい医療の議論があり購入計画が立てられている
10.高い文化度:新しいことにチャレンジし、使命感にあふれたアカデミックな雰囲気

これらは、県立病院においても課題となっていることが多いと思われます。今後の議会活動においてこれらが少しでも改善されるよう、医師の方々との対話も含め、考えていかなければならないという思いを持ちました。

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