HOME > 活動報告

活動報告

2010年9月28日 のアーカイブ

2010年9月28日(火)

[ 活動報告 ]

9月28日。

JA越前たけふの大虫低温倉庫にお邪魔して米の検査の概要と販売拡大に関する取り組みについてお話を伺ってきました。お忙しい中、説明にお付き合いいただきましたJAの土本部長には大変感謝しております。

 米の検査(米穀検査)とは農産物検査法第3条に基づいて、米穀の生産者がその生産した米穀について品位等検査を受けるものでです。政府に売り渡す米については、品位等検査が義務的な検査と定められている一方、食味等を分析する成分等検査は任意検査となっています。

 法律上の検査はさておき、JA越前たけふでは整粒割合や食味について公開することにより、越前市のお米がよりおいしいお米であることと徹底した品質管理のもと食の安全の確保に万全を期していることを消費者へアピール。販売拡大に力を入れておられます。また、全国でもない取り組みとして精米されたお米の味度(口当たり、舌触り、かみごたえ)の測定器の導入も計画中でトータルでの競争力の向上を図っています。

↓整流割合と食味の表示
p1000052

以下に主な検査項目の実際の手法を記載します。

<目視検査>
検査のロットは1パレットと呼ばれる7袋×6段積み=42袋ごとに行われ、42袋の中からランダムに10袋から検体が抽出され検査が行われます。同JA管内では32名の検査員の方がおられ委託にて米穀検査を行っています。目視検査では白いシャーレに約1000粒の米を広げ、カメムシによる斑点などの着色粒の有無を検査します。水稲うるち玄米で着色粒が約1000粒中7粒(0.7%)以上あれば等級付け上、規格外となり新たに色彩選別機に掛け着色米を除去する工程も取られるそうです。基準では0.1%未満は一等米、0.3%未満で2等米となります。

↓山積みのパレット                  ↓目視検査
p1000051 p1000046

<測定器による整粒検査>
 測定器による検査工程では穀粒判別器と言われる検査機器がつかわれます。この機器は現在同JAで導入を検討中で試験的に現在利用しているものです。
 まず専用の測定プレートに検体であるお米を並べ、そのプレートを一般オフィスにもあるようなスキャナーに設置、スキャンします。すると数秒後には1000粒以上あるプレートに乗ったお米の一粒一粒についてその粒の状況が表示され胴割れや未熟米が一目了然となります。これらは集計され良好な整粒とそれ以外の非整粒がそれぞれ表示されトータルでスコア化されます。

↓検体をプレートにセット               ↓粒ごとに状況の表示          
p1000049 p1000048

↓集計結果の表示
p1000050

<食味測定器による食味検査(成分分析)>
この工程ではお米の中に含まれる4種類の成分について分析されます。4種とは以下の通り
水分:水分14.0%以下の過乾燥米は炊飯前の浸水時にひび割れを起こし、デンプンが流出することにより、食味が悪くなります。
たんぱく質:タンパク質は水を通さないためお米の給水を阻害します。タンパク質の低いお米は給水がいいので炊きあがりがふっくら仕上がります。
アミロース:アミロース値が低いほど粘りのあるおいしいお米になります。
脂肪酸化度:お米の中の脂肪は古くなるほど酸化してして米の食味を低下させます。この値が低いお米は新鮮なお米と言えます。

これら4成分の分析結果はトータルでスコア化され数値が出されます。一般にスコア70以上のお米が美味しいとされ、お邪魔した日に見せて頂いた検査では80というスコアも見られました。

<味度計による検査>
現在、同JAでは国に働きかけ味度計の導入支援を要請しています。味度とはご飯のおいしさまずさは口の中での感触、つまり口当たり、舌触り、かみごたえによって決まり、そしてこの食味はご飯になった状況での米の粒の表面を覆う保水膜の厚さによって決まることに着目、保水膜の厚さを測定することにより味度が測定できるというものです。この取り組みは全国のJAとしては初めての試みで全国に先駆け食味表示を行い競争力の強化を目指しています。

<所感>
 現在、お米の味という意味では生産地や品種など一般消費者の持つイメージにて決まっていくことが多いという印象を持っています。これらを数値化し管内のお米が美味しいことを具体的に表示していき、品質管理上も徹底した形で安全安心を含めブランド化していく戦略は的を得たものと考えています。
 また、今後導入予定の食味の表示も合わせ、品質の数値化とその表示については農家の方が米を生産する際の自らに課す目標となることも考えられ、がんばったらおいしいお米になり価格も高く報われるという生産意欲向上の一助にもなるのではという印象を持ちました。

 

コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
PAGE TOP
  • 福井県議会
  • 福井県
  • 自由民主党
  • 越前市