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活動報告

2010年7月16日(金)

[ 活動報告 ]

7月16日。

東京池袋メトロポリタンホテルにて東京商工会議所板橋支部主催のセミナーが表題のテーマで行われました。

講師は政治記者として現場取材20年を迎える、時事通信社取締役編集担当の泉宏氏です。

先日行われた参議院結果の総括と今後の国会運営に関する見通しについてを主題に副題として「~ 民主党政権と乱戦参院選・日本経済の展望 ~」についてお話がありました。

内容的には。。。。

○参院選の結果について各社出口調査では民主党の獲得議席数についてNHKが44~51議席、日本テレビが48議席、TBSが48議席と予想していたが、実際はこの平均の予想値より4,5議席下回るという「大敗」という結果になり出口調査の結果との差異がみられた。
 通常、出口調査は午前中、午後、夜7時ごろと3回行われる。傾向的に朝方の投票は組織票などしっかりとした意志を持った投票が、投票終了時間に近付くに従い浮動層の投票となる。この意味で選挙戦に対する興味が低かったことを背景に日中忘れていたなどの理由で夜7時以降に投票した有権者が多く、出口調査としてまとめる際に、その時点での投票行動を情報として取りきれなかったことがあげられる。

○管総理は選挙の総括の中で「唐突に消費税の議論を持ち出し、その理解が得られなかった」と発言しているが、実際の大敗の理由はそうではないと考える。もし、そうなら消費税の引き上げをそのマニフェストの中でトップに挙げている自民党が大勝したことが説明できない。また、消費税引き上げについてはある程度国民がやむなしとの理解をしている政策課題であると考えている。
 大敗の理由は以下の点があげられると考える。
 ・昨年衆議院選挙の時のマニフェストに今後4年は消費税増税を行わないと明示しているにもかかわらずの増税議論の提示であったこと。
 ・低所得者には還付すると言うが最終的に総理の考え通り年収400万円以下の人に既存の消費税部分(5%)も含め還付することとなれば、国民の約半分が該当することになり、残り半分の人から10%聴取してもトータルでは5%となり、現行と変わらないことから、残りの人からは20%徴収しなければ10%分の財源の確保ができない。このような小学生でも分かる話を軽率に提示してしまうことで税に関する無知さを露呈する結果になったこと。
・新政権になって予算委員会の開催も全くなく選挙に突入したことにより、このまま何か事が起こり支持率が低下するという自覚があり、その前に選挙戦を迎えれば勝てるとの思惑が見え隠れしたことにより有権者が「現政権は政治より選挙」という認識をもったこと。
・枝野幹事長の選挙期間中における「みんなの党とは組める」「公明党とは同じ考えだ」というような、与党幹事長の負けを前提にした発言は、自分の38年の記者生活で一度も聞いたことがない。

○今後の政局運営だが、連立与党(民主党・国民新党)は他の野党との連携により多数派工作を行うであろうが、創価学会に管氏が「仏敵」と評されるほど嫌悪されていたり、みんなの党と民主党に徹底的なイデオロギーの違いがあったり、社会党福島党首が国民新党との連携について参議院ではあり得るが衆議院ではないと発言したりとその成就は難しいものとなろう。従って残るは自民、民主による大連立だが、その可能性も低いことからしばらくは衆参でねじれる現象が継続することになろう。このような状況下、管総理はもともと郵政民営化を元に戻す法案について否定的であるため、この法案の可決は90%ないと考えている。

○民主党の代表選挙が9月5日に予定され、8日には内閣改造と党役員人事がなされることになろうが、その結果は管総理の辛勝による続投、枝野氏交代であろう。注目すべきは小沢前幹事長の動向である。先日検察審査会の「不起訴不当」の結論が出されたが、小沢氏が現行制度上訴追を免れる唯一の方法は内閣総理大臣になることであり、この意味で注目したい。

<所感>
 若干ワイドショー的な見方だなと思える部分もあったが、ところどころ興味深く伺える部分もあった。いずれにしろ、しばらくは政局は不安定な状況が予想され地方議会もその影響を受けることは少なからずあろうとの印象を持った。

コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
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