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活動報告

雑感

2011年6月15日(水)

[ 雑感 ]

6月15日。

核燃料税とは福井県が徴収している法定外税(地方税法で決められている以外の地方税)です。

福井県の平成21年度決算における県税収入は928億円で、そのうちの5.5%、金額で51億円が核燃料税収入となっています。
県税収入が不景気で落ち込む中、福井県としては財源として非常に大きなものであります。ちなみに県民の方々から頂いている地方消費税が11.4%ですので、この半分に相当する金額となっています。

従来はまさしく核燃料税ということで、価格割、つまり原子炉運転に伴う使用したウラン燃料の価格に対して一定割合(12%)を電力事業者3社(日本原電、関西電力、*日本原子力研究開発機構)から頂いていたのですが、使用量をベースに計算されるため、今回の震災や定期検査などで運転が止まるとこの税収も低下するという側面を持っています。
*旧動燃。廃炉となった「ふげん」や「もんじゅ」を管理している組織。 

事実、2006年にこの税率を2%上げて12%にした時のもくろみはその後5年間で373億円への増収だったのですが、実際は原子炉の稼働率が低く100億円近く目標を下回る結果となりました。

 

 このような状況下、新しい概念がもたらされたのが「出力割」と呼ばれるもので、稼働率にかかわらず原子炉の出力に合わせ一定割合を徴収するというものです。要するに動かそうが動かさまいが一定の税金は頂きます、というものです。
 実はこのやり方は電力事業の理解が得られにくい概念であります。従来の価格割であれば支払う方の事業者としても税額が多い時は自ずと稼働率が高く、売った電力が多く収益的に良好な時ですので税の支払いはそう苦にならないことになります。一方、出力割では稼働率、言い換えるなら企業収益状況に関係なく一定の税を支払うことになるわけで、企業経営的な発想からはなかなか受け入れられるものではないと考えます。
 今回の税率アップでは価格割で8.5%、出力割で8.5%、トータルで17%となるわけですが、全国初の取り組みであり、税収の安定化という意味では一定の評価に値するものだと考えています。

 今回、新聞報道では電力3社はこのスキームに概ね合意しているということですが、過去、4年間の経験から考えて、事業者はよく合意したなぁ。。。というのが正直なところですが、その背景には当然ながらやはり震災の影響による事業者の後ろめたさ(ちょっと言いすぎかな(^^;)が大きいものと考えられます。

 今回の震災で原子力発電所立地県が負担しているリスクというのは、従来から想定されているものより遥かに大きいことが実証されてしまいました。このことがこの合意にも大きな影響を及ぼしているのでしょう。

 ここで一つ考えねばならないのは原子力行政の3原則と言われているものです(原子炉事故時の「止める」「冷やす」「閉じ込める」ではないですよ(^^;)。

○安全・安心の確保
○地域住民の理解と同意
○地域の恒久的福祉の実現

がその3原則で、3つ目がいわゆる今回の核燃料税や他の原子力関連補助金、交付金が該当します。

ここで私の意見をいくつか。。。

○原子力3原則から見ても安全・安心が確保されていない状況下では恒久的福祉(地域振興策)いくら充実していてもそれは意味のないものであることは福島の事例からも明らかです。税率がアップしたことと安全・安心へのチェック・追及は全く別のものとして捉え、税金をたくさんもらうようになったからこれらが甘くなることだけは決してないようにフォローしなければなりません。
○諸外国を見ても「脱原子力」が主流になってきている状況は否めません。しかし、私は製造業が国力の大きな部分を担っているこの日本において自然エネルギーに頼ることは、その不安定な発電特性から工場を安定的に稼働するための良質な電力を確保できないことや、狭い国土という特性からも難しいと考えています。また、自宅に太陽光発電を設置したから売電で収入が得られてよかったね、という話と国のエネルギー政策をごっちゃに議論してはいけないとも考えています。そういった意味で原子力発電の重要性という意味では何も変わっていないと考えています。大きく変わったのはその想定されるリスク。福井県の原子力発電による電力は大部分が関西向けのものです。今回の核燃料税率のアップは電力料金に上乗せされ負担されるものと思いますが、関西の人たちは自分たちの生活のために福井県がこの大きなリスクを負担していることをしっかり理解し、福井県も関西圏に対して今回の燃料税のアップにとどまらず、せめて経済的な負担くらいはしっかりと訴えていかなければならないと考えています。

以上、徒然なるままに書いてみました!

コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
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2011年6月7日(火)

[ 雑感 ]

6月7日。

「オヤジギャグとセクハラに関する一考察」ということでどうでもいい話を一つ。

TVを見ていたら木村拓哉がカレーのCMで「胸がジャワつく。。。」と言ってた。

これってかっこ悪い、いわいるオヤジの課長が部下のOLに言おうもんならオヤジギャグと苦笑されるならまだしも、白い目で見られるのは確実なのではと。。。

キムタクが言うから笑って聞ける、っというもののような気が。。。(^^;

要は定義はあいまいで誰が言うかによって評価されてしまうもんでしょうね。

これと同じものにセクハラがあるのではと。。。

先鋭的な男女共同参画を推進する立場の方からは「セクハラは誰がしてもセクハラ!!」とお叱りを受けそうですが、もちろん、誰がしてもって案件は論外としても、かっこいい憧れの上司から肩をポンと叩かれればやる気もでるっていうものでは。

事実、セクハラは何をしたかもさることながら、それを言われ(されて)どう感じたか、つまり主観が違法性の判断となるようですね。
「どう感じるか」は「誰」に言われる(される)によって大きく違うもんだと思うんですけどねぇ。

キムタクのCMから論理が飛躍しました(^^

別に愚痴を言っているわけではないので念のため・・・

コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
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2011年5月30日(月)

[ 雑感 ]

5月28日。

午後2時より、我が母校である武生高校同窓会の総会が行われ、航空自衛隊空将補 米沢敬一氏による「国の守り」とテーマでの記念講演が行われました。

別に私は右翼ではありませんが、最近とみにこの「国のあり方」や「国のために何ができるか」という点について日本全体がなんか変な方向に行っているのではと疑問を持つ者の一人なので、本当にいいお話が聞けたと思っておりちょっと紹介します。

今回の震災の復興や外交問題を含め、自衛官がなぜ、ここまで自己犠牲的な働きを行えるかについてのお話では入隊の祭、「事に臨んでは危険を顧みず身をもつて責務の完遂に努め、もつて国民の負託にこたえること」を宣誓していることにあります。

この「危険を顧みず」という宣誓は国家公務員の制度と大きな違いとなっており自衛官のモチベーションのよりどころとなっているそうです。

しかし、旧陸軍刑法やアメリカ軍の法律については敵前逃亡や服務規程違反について最高では死刑が規定されているのに対し、自衛隊法199条ではこれらに対し「3年以下の懲役または禁錮」に規定されるにとどまっています。

従って自衛官は法律で罰せられるからがんばるというよりも、国や愛する人など守るべきものの為にがんばっているというのが正しい評価であるとの事でした。

この状況を表すいい例が、自衛隊入間基地で起きた航空事故の話があります。この事件について近隣の狭山高等学校の校長が学校通信にコメントを出されています。ちょっと長文ですがネットで調べましたので紹介しますと。。。

人間を矮小化してはならぬ」
1999年12月1日付学校通信「藤棚」小川義男(狭山ケ丘高等学校校長)

 先日、狭山市の柏原地区に自衛隊の練習用ジェット機が墜落しました。たまたま私は、寺田先生と共に、あの近くを走っていましたので、立ち寄ることにしました。すでに付近は閉鎖されていて、近くまで行くことはできませんでしたが、それほど遠くないあたりに、白煙の立ち上るのが見えました。

 見上げると、どのような状態であったものか、高圧線がかなり広範囲にわたって切断されています。高圧線は、あの太くて丈夫な電線ですから、切れるときはぷつんと切れそうなものですが、多数の細い線の集まりからできているらしく、ぼさぼさに切れています。何カ所にもわたって、長くぼさぼさになった高圧線が鉄塔からぶら下がっている様は、まさに鬼気迫るものがありました。

 聞くと、操縦していた二人は助からなかったそうです。二佐と三佐と言いますから、相当地位の高いパイロットだと言えます。二人とも脱出を試みたのですが、高度が足りなく、パラシュート半開きの状態で地面に激突し命を失った模様です。

 以前、現在防衛大学の学生である本校の卒業生が、防大合格後航空コースを選ぶというのを聞いて、私がとめたことがあります。「あんな危ないものに乗るな」と。彼の答えはこうでした。「先生、戦闘機は旅客機より安全なのです。万一の場合脱出装置が付いており、座席ごと空中に打ち出されるのですから」と。

 その安全な戦闘機に乗りながら、この二人の高級将校は、何故死ななくてはならなかったのでしょうか。それは、彼らが十分な高度での脱出を、自ら選ばなかったからです。おそらく、もう百メートル上空で脱出装置を作動させていれば、彼らは確実に自らの命を救うことができたでしょう。47歳と48歳と言いますから、家族に取りかけがえもなく尊い父親であったでしょう。それなのに、何故彼らはあえて死をえらんだのでしょうか。

 実は、あの墜落現場である入間川の河川敷は、その近くに家屋や学校が密集している場所なのです。柏原の高級住宅地は、手を伸ばせば届くような近距離ですし、柏原小、中学校、西武文理高等学校もすぐそばです。

 百メートル上空で脱出すれば、彼らは確実に助かったでしょうが、その場合残された機体が民家や学校に激突する危険がありました。彼らは、助からないことを覚悟した上で、高圧線にぶつかるような超低空で河川敷に接近しました。そうして、他人に被害が及ばないことが確実になった段階で、万一の可能性に賭けて脱出装置を作動させたのです。

 死の瞬間、彼らの脳裏をよぎったものは、家族の顔でしょうか。それとも民家や学校を巻き添えにせずに済んだという安堵感でしょうか。

 他人の命と自分の命の二者択一を迫られたとき、迷わず他人を選ぶ、この犠牲的精神の何と崇高なことでしょう。皆さんはどうですか。このような英雄的死を選ぶことができますか。私は、おそらく皆さんも同じコースを選ぶと思います。私も必ずそうするでしょう。実は、人間は、神の手によって、そのように作られているのです。

 人間はすべてエゴイストであるというふうに、人間を矮小化、つまり実存以上に小さく、卑しいものに貶めようとする文化が今日専らです。しかし、そうではありません。人間は本来、気高く偉大なものなのです。火災の際の消防士の動きを見てご覧なさい。逃げ遅れている人があると知れば、彼らは自らの危険を忘れて猛火の中に飛び込んでいくではありませんか。母は我が子のために、父は家族の為に命を投げ出して戦います。それが人間の本当の姿なのです。その愛の対象を、家族から友人へ、友人から国家へと拡大していった人を我々は英雄と呼ぶのです。

 あのジェット機は、西武文理高等学校の上を飛んで河川敷に飛び込んでいったと、佐藤校長はパイロットの犠牲的精神に感動しつつ語っておられました。

 しかし、新聞は、この将校たちの崇高な精神に対して、一言半句のほめ言葉をも発しておりません。彼らは、ただもう自衛隊が、「また、事故を起こした」と騒ぎ立てるばかりなのです。防衛庁長官の言動も我慢がなりません。彼は、事故を陳謝することのみに終始していました。その言葉には、死者に対するいたわりの心が少しもありません。

 防衛庁の責任者が陳謝することは、それはもう当然です。国民に対してばかりか、大切な隊員の命をも失ったのですから。しかし、陳謝の折りに、大臣はせめて一言、「以上の通り大変申し訳ないが、隊員が、国民の生命、財産を守るため、自らの命を犠牲にしたことは分かってやって頂きたい。自衛隊に反発を抱かれる方もあるかも知れないが、私に取り彼らは可愛い部下なので、このこと付け加えさせてもらいたい。」くらいのことが言えなかったのでしょうか。隊員は命を捨てて国民を守っているのに、自らの政治生命ばかり大切にする最近の政治家の精神的貧しさが、ここには集中的に表れています。まことに残念なことであると思います。このような政治家、マスメディアが、人間の矮小化をさらに加速し、英雄なき国家、エゴイストのひしめく国家を作り出しているのです。

 人は、他人のために尽くすときに最大の生き甲斐を感ずる生き物です。他人のために生きることは、各人にとり、自己実現にほかならないのです。

 国家や社会に取り、有用な人物になるために皆さんは学んでいます。そのような人材を育てたいと思うからこそ、私も全力を尽くしているのです。

 受検勉強で精神的に参ることもあるでしょうが、これは自分のためではなく、公のためである、そう思ったとき、また新しいエネルギーが湧いてくるのではないでしょうか。受験勉強に燃える三年生に、連帯の握手を!

 この手記は守るべき誰かのために危険を顧みないという自衛官の本質を本当によく表しているものだと思います。読んでいて涙がこぼれました。

君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。
きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。

御苦労だと思う。

しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、
外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、

国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。
 
言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。

どうか耐えてもらいたい。

最後に米沢氏は、防衛大学の第一回卒業式で吉田茂がこのあいさつをしたことを引用し、

自衛官は日蔭者でいいのです。我々がちやほやされるようなことはあってはならないのです。

とおっしゃったことが非常に印象的でした。

東北地方でがんばっていらっしゃる自衛官の皆さん。どうかがんばってください!!


コメント [0]  トラックバック [0] 投稿者 : 宮本 俊
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